中学英語や数学が指導できない教室長の塾はやめなさい
教室長、または塾長は少なくとも他のしっかりした塾、集団授業を中心とした塾などで、中学生に英語や数学を教えた経験が少なくとも5年以上ないと、まともな学習指導はできないでしょう。
個別指導塾の講師は大学生がほとんどでしょうから、その講師が生徒にある問題を説明できなくて、困って教室長に質問してきたとき、指導経験のない、または浅い教室長ではどうすることもできません。
また、長期的な指導計画をしっかり把握していないでしょうから、教室長または塾長自身が試行錯誤で指導することになるのは目に見えています。
大切な高校受験などを控えた生徒にとって、そんな試行錯誤で指導されたのでは、たまったものではないでしょう。
5年ぐらい教えた経験があると、中学1年生から3年生まで一応は教えているでしょうから、大体何年生でどこそこの単元を学習するというのが肌感覚で身についてきますし、単元内容についても一通りは理解しているはずです。
自ら教えた経験から、英語なら英語でどこの単元で生徒はつまずきやすいか、どこは理解しやすいか、3年生になるとどの辺りが理解しにくいか。
数学なら、分数や小数計算の大切さ、分数を含んだ四則混合計算はどう指導するのか、図形の証明問題は何がポイントになるか、などなどの内容をわかっていないといけないのです。
こうしたことが理解できていないのに学習塾の塾長や教室長をしようという人は、パソコンの大まかな仕組みもわかっていないのに、パソコンを売ろうとする店員みたいなものです。そんな人から買うでしょうか。
また、講師がしっかり教えているかどうかを判断するのに、塾長自身、教室長自身が勉強の中身をわかっていなければ、講師が正しく指導説明しているか、わかりやすく指導しているかを判断することができないのは当然でしょう。
たとえば、英語なら、第4文型から第3文型への書き換えで、toやforの使い分けなどの説明を講師ができているか、現在完了を正しく教えられているか、数学では、平方根の四則混合計算を効率よく計算する方法や二次関数、三平方の定理などをわかりやすく指導できているか、などなどを教室長が判断できなければ、どうやってその講師を評価するのでしょうか、ということになります。
集団塾では、通常、まともな塾なら教科ごとに勉強会や研修会を定期的に開いていて、生徒への指導説明の方法を研究していますので、それなりの指導ができるのですが、複数教科を指導する個別指導の講師には、そこまで詳しい研修などできないのがふつうです。
まず、ふつうの個別指導塾では、そうした科目ごとの専門性は講師にはないでしょう。
特に大学生の講師ならなおさら、また、社会人の講師でも他塾での経験がない、もしくは浅い場合、やはり科目の専門性はほぼないと思わなければなりません。
教室長や塾長が指導できる学力がないといけないはずなのですが、実際はそうでない場合がまあまああるのです。
先に述べたように、インターネットで学習塾の教室長の求人を検索して見てみると、フランチャイズの塾に多いのですが、そこには「学習塾での指導経験は不要」や「ほとんどが前職は営業や製造職など」と書いてあるのです。
教室長は保護者に入塾時の概要説明ができればいいということになってしまっているのです。
つまり、営業マンです。入塾金がいくらで月謝がいくらで…、というような説明ができて、本部へ毎月の売上げなどを報告できれば、教室長になれてしまうのです。
教室長自らに生徒指導は求めていないのです。
こんな塾はあまりお勧めできない塾です。
入塾問い合わせのときに、その塾の塾長または教室長に、どれほどの指導経験があるのかたずねてみるのも一つの判断材料ですが、正直に答えない場合もあるかもしれません。
そんなときは、「英語の3人称単数現在のあたりの説明はどういうふうにこの塾では教えておられるのですか」などと質問してみてもいいかもしれません。